トレード・ロスター移動ウェイブ(Waive)

NBAのウェイブ(Waive)とは?

労使協定(CBA)、NBAが作成した労使協定の要点まとめ(CBA 101)、NBAの定款・細則で確認できる内容をもとにした、当サイト独自の解説です。

Summary

まず結論

  • ・ウェイブは、球団がウェイバーの手続きをとって、選手との契約を手放すことです。
  • ・ウェイバーの期間中は他の球団がその契約を引き取る(クレームする)ことができ、クレームがなければ契約は終わります。
  • ・契約が終わっても、支払う年俸は元の球団の年俸総額に含まれます。Stretchは、その年俸の計上方法に関する選択です。

ご注意:このページは一般的な制度の解説です。個別の契約には、ここで扱っていない条件や例外があります。ルールはCBAや定款・細則の改定で変わる可能性があるため、最新の公式資料を確認してください。

What it is

ウェイブとは

  • 契約を手放す手続き:ウェイブは、球団が選手との契約を手放すために、ウェイバー(Waivers)の手続きをとることです。「ウェイバーにかける」とも言います。
  • 球団の判断で申請:ウェイバーは球団の判断で申請でき、選手の合意は必要ありません。一度申請すると、取り消すことはできません。
  • トレード以外の移籍の手続き:NBAの細則では、トレードなどを除き、選手の契約や交渉権を他の球団に移すには、ウェイバーの手続きをとらなければならないとされています。
  • 10日間契約は別の扱い:10日間契約は、ウェイバーの手続きではなく、選手への書面の通知で終えることができます。

How it works

ウェイバーの手続きの流れ

  1. 1

    球団が申請する

    球団がリーグ(コミッショナーまたはその指名を受けた者)にウェイバーを申請し、リーグが他のすべての球団に通知します。

  2. 2

    他の球団がクレームできる

    通知から48時間以内であれば、他の球団はその選手の契約を引き取ると申し出る(クレームする)ことができます。クレームは取り消せません。期間には土日・祝日も含まれます。

  3. 3

    クレームがあった場合

    契約は、クレームした球団に移ります。選手はその球団に合流します。

  4. 4

    クレームがなかった場合

    ウェイバーの期間が終わると、契約は終わります。CBAでは、こうして契約が終わったベテラン選手は「フリーエージェント」とされています。

※ ウェイバーの期間が終わるまで、選手はウェイバーにかけた球団の財政上の責任のもとにあります。クレームする球団も、サラリーキャップの余裕や例外の範囲で契約を引き取る必要があります。

Claim priority

クレームの優先順位

  • 成績の低い球団が優先:複数の球団がクレームした場合は、ウェイバーが申請された時点で順位(成績)が最も低い球団が、その選手を獲得します。
  • シーズン終了後の一定期間:レギュラーシーズン終了後の一定期間に申請された場合は、前のシーズンの最終的な成績が使われます。
  • 成績が同じ場合:勝率が同じ球団どうしでは、その球団どうしの対戦成績で決め、それでも決まらない場合はコイントスで決めます。

※ 優先順位は、NBAの定款・細則(2018年10月版)で確認しました。その後の改定は反映されていない可能性があります。

Waive vs. buyout

Buyoutとの違い

  • ウェイブ:球団の判断だけで申請できます。契約で保証された年俸があれば、契約が終わっても球団の支払い義務が残ります。
  • Buyout:球団と選手が合意して契約を修正し(コミッショナーの承認が必要)、そのうえで球団がウェイバーを申請します。保証された年俸の減額・取り消しや、Set-offの変更を合意できます。
  • 共通点:どちらもウェイバーの手続きをとるため、他の球団がクレームできる点は同じです。

関連ガイド:NBAのBuyout(バイアウト)とは?(合意による契約の途中終了)

Team salary & stretch

契約終了後の年俸総額への影響とStretch

  • 年俸総額に残る:ウェイバーの手続きで契約が終わった選手に支払う、または支払う予定の年俸は、元の球団の年俸総額(Team Salary)に含まれます。そのため、契約が終わったあとも、元の球団の年俸総額に影響し得ます。
  • Set-off:球団の支払い義務が残る選手が他の球団と契約すると、その収入に応じて、元の球団の支払い義務の一部が減らされます。
  • Stretchは計上方法の選択:Stretchは、ウェイブした選手の残りの年俸を、年俸総額の上で複数のシーズンに割り振って計上することを、球団が選ぶ仕組みです。CBAでは、年俸総額(Team Salary)を計算するためのルールとして定められています。
  • Stretchには条件がある:Stretchを選べる時期や、ウェイブした選手の年俸として計上できる額の上限などの条件があります。

※ Stretchの具体的な計算方法や条件は、このページでは扱っていません。正確な条件は下の公式資料(CBA・CBA 101)を確認してください。

関連ガイド:NBAのサラリーマッチングとは?(トレードで送る年俸と受け取る年俸)

Comparison

トレード・Buyout・ウェイブ・Stretchの違い

トレード・Buyout・ウェイブは契約の移籍や終了に関わる手続き、Stretchはウェイブしたあとの年俸の計上方法に関する選択です。

トレード
何をするか
球団どうしの合意で、選手の契約などを相手の球団に移す
判断・合意
トレードする球団どうし
契約の行方
そのまま相手の球団に移る
年俸総額
サラリーキャップや例外のルールの範囲で受け入れる
Buyout
何をするか
球団と選手が合意して契約を修正し、そのうえでウェイバーを申請する
判断・合意
球団と選手の双方(コミッショナーの承認も必要)
契約の行方
ウェイバーを通過して契約が終わると、合意した内容が適用される
年俸総額
支払う年俸は元の球団の年俸総額に含まれる
ウェイブ
何をするか
球団がウェイバーを申請し、契約を手放す
判断・合意
球団の判断(申請は取り消せない)
契約の行方
クレームがあればその球団に移り、なければ契約が終わる
年俸総額
支払う年俸は元の球団の年俸総額に含まれる
Stretch
何をするか
ウェイブした選手の年俸を、年俸総額の上でどう計上するかを選ぶ
判断・合意
球団の選択(条件がある)
契約の行方
契約の手続きではない(ウェイブで契約が終わったあとの計上の選択)
年俸総額
元の球団の年俸総額に計上する額を、複数のシーズンに割り振る

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関連ガイド

Glossary

関連用語

ウェイブ(Waive)
球団がウェイバーの手続きをとって、選手との契約を手放すこと。
ウェイバー(Waivers)
契約を手放す選手を、他の球団が獲得(クレーム)できるようにする手続き。期間は48時間。
クレーム(Claim)
ウェイバーにかけられた選手の契約を、他の球団が引き取ると申し出ること。申し出は取り消せない。
Buyout(バイアウト)
球団と選手の合意で、契約を途中で終えることの一般的な呼び名。合意のうえでウェイバーの手続きをとる。
Stretch
ウェイブした選手の残りの年俸を、年俸総額の上で複数のシーズンに割り振って計上する選択。条件がある。
Set-off
契約を解除された選手が他の球団と契約した場合に、元の球団の支払い義務の一部が減らされる仕組み。
年俸総額(Team Salary)
サラリーキャップと比べる、チームの選手の年俸などの合計。ウェイブした選手に支払う年俸も含まれる。

リンクのない用語の詳しいガイドは準備中です。

Official sources

公式一次資料

このページは上記の公式資料をもとにした当サイト独自の解説です。協定の条文を転載・翻訳したものではありません。

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