NBAのロスター契約・短期契約とは?
労使協定(CBA)と、NBAが作成した労使協定の要点まとめ(CBA 101)で確認できる内容をもとにした、当サイト独自の解説です。
Summary
まず結論
- ・NBAの選手契約は、Two-Way契約と、それ以外の通常の契約(Standard NBA Contract)に分かれます。
- ・Two-Way契約はNBAとGリーグの両方でプレーする契約で、各チーム最大3人まで、15人のロスター枠とは別に結べます。
- ・Exhibit 10は開幕前の契約に付ける付属書、10日間契約は1月5日から結べる短期の契約で、どちらも細かな上限や条件があります。
ご注意:このページは一般的な制度の解説です。個別の契約には、ここで扱っていない条件や例外があります。金額は毎シーズン変わるため、具体的な額は最新の公式資料を確認してください。
Comparison
Exhibit 10・Two-Way契約・10日間契約の違い
3つの契約形態の主な違いを、一覧にまとめました。詳しい条件は、下の各項目で説明しています。
| 項目 | Exhibit 10 | Two-Way契約 | 10日間契約 |
|---|---|---|---|
| 契約の種類 | 選手契約に付ける付属書 | NBAとGリーグの両方でプレーする契約 | Standard NBA Contractの一種 |
| 期間 | 1シーズンのみ | 1シーズンまたは2シーズン | 10日間と3試合分の長いほう |
| 時期の決まり | 2-wayへの変更・ボーナスの条件は開幕前の解除が前提 | シーズン途中の契約は年俸と出場上限が日割り | 1月5日から(ハードシップは別) |
| 1チームの上限 | 同時に6人まで | 同時に3人まで | ロスター人数に応じて0〜3人 |
| ロスター枠 | Standard NBA Contractとして数える | 15人とは別枠 | 15人の中に入る |
| 年俸・お金 | 保証なし。条件を満たすとボーナス | 最低年俸(0年)の50% | その選手の最低年俸の日割り |
| Gリーグとの関係 | 提携チームで60日間プレーがボーナスの条件 | NBAとGリーグの両方でプレー | このページでは扱っていません |
- 契約の種類
- 選手契約に付ける付属書
- 期間
- 1シーズンのみ
- 時期の決まり
- 2-wayへの変更・ボーナスの条件は開幕前の解除が前提
- 1チームの上限
- 同時に6人まで
- ロスター枠
- Standard NBA Contractとして数える
- 年俸・お金
- 保証なし。条件を満たすとボーナス
- Gリーグとの関係
- 提携チームで60日間プレーがボーナスの条件
- 契約の種類
- NBAとGリーグの両方でプレーする契約
- 期間
- 1シーズンまたは2シーズン
- 時期の決まり
- シーズン途中の契約は年俸と出場上限が日割り
- 1チームの上限
- 同時に3人まで
- ロスター枠
- 15人とは別枠
- 年俸・お金
- 最低年俸(0年)の50%
- Gリーグとの関係
- NBAとGリーグの両方でプレー
- 契約の種類
- Standard NBA Contractの一種
- 期間
- 10日間と3試合分の長いほう
- 時期の決まり
- 1月5日から(ハードシップは別)
- 1チームの上限
- ロスター人数に応じて0〜3人
- ロスター枠
- 15人の中に入る
- 年俸・お金
- その選手の最低年俸の日割り
- Gリーグとの関係
- このページでは扱っていません
※ 「ロスター枠」の15人は、レギュラーシーズン中のアクティブ・リストとインアクティブ・リストの合計人数を指します。開幕前までは、Two-Way契約の選手を含めて最大21人まで契約できます。
Standard contract & roster
通常の契約(Standard NBA Contract)とロスター枠
- 対象者
- CBAでは、Two-Way契約以外の選手契約を「Standard NBA Contract」と呼びます。10日間契約も、Two-Way契約ではないため、この中に含まれます。
- 契約期間・扱い
- 契約期間や年俸は、MAX契約・ミニマム契約・各種の例外など、それぞれのルールの範囲で決まります。
- ロスター枠との関係
- レギュラーシーズン中は、アクティブ・リストとインアクティブ・リストの合計で14人または15人を保つ必要があります(12人・13人は、連続2週間まで・合計28日まで)。
- Gリーグとの関係
- 在籍年数2年以下の選手は、チームがGリーグへ派遣できます。2年を超える選手は、本人と選手会の同意があれば派遣できます。派遣中もNBAの年俸が支払われ、NBAチームのロスターに含まれます。
- レギュラーシーズン中:Standard NBA Contractの選手(アクティブ・リストとインアクティブ・リストの合計)を14人または15人にします。
- Two-Way契約は別枠:この15人とは別に、Two-Way契約の選手を最大3人まで持てます。
- オフシーズン・トレーニングキャンプ:レギュラーシーズン開幕前までは、Two-Way契約の選手を含めて最大21人まで契約できます。
- 15人を超える場合:NBAがハードシップ・ルールにもとづいて契約を認めた場合などは、15人を超えられます。
Two-Way Contract
Two-Way契約(2-way契約)
- 対象者
- 契約期間中のどこかで在籍年数が4年以上になる(可能性がある)選手は、原則として結べません。また、同じチームとのTwo-Way契約は、合計で3シーズン(サラリーキャップ年度)を超えられません。
- 契約期間・扱い
- 期間は1シーズンまたは2シーズンで、オプション年は付けられません。NBAチームとGリーグ・チームの両方でプレーする契約で、年俸は在籍年数0年の選手の最低年俸の50%です(シーズン途中の契約は日割り)。
- ロスター枠との関係
- 各チームは、Standard NBA Contractの最大15人とは別に、最大3人と結べます。レギュラーシーズンでアクティブ・リストに入れるのは50試合まで(シーズン途中の契約は日割り)で、プレーオフ・プレーインのロスターには入れません。
- 主な用途
- チームは、Two-Way契約の選手とStandard NBA Contractを結ぶ独占交渉権を持ち、同じ期間のStandard NBA Contract(その選手の最低年俸)に変更(コンバート)することもできます。
※ 在籍年数4年の選手でも、過去にレギュラーシーズンを通してロスターに入りながら試合に出なかったシーズンがある場合は、1シーズンのTwo-Way契約を結べるという例外があります。Two-Way契約の選手は、契約から30日間はトレードできません。
Exhibit 10
Exhibit 10
- 対象者
- チームと選手の合意で、選手契約に「Exhibit 10」という付属書を付けます。Two-Way契約に変更した場合は、Two-Way契約のルールが適用されます。
- 契約期間・扱い
- 1シーズンだけの契約で、年俸の保証は付けられません。レギュラーシーズン開幕前に解除され、選手がそのチームのGリーグ提携チームで60日間続けてプレーするなどの条件を満たすと、ボーナス(5,000ドル以上、上限あり)を受け取れます。
- ロスター枠との関係
- 1チームが同時にExhibit 10付きの契約を結べるのは6人までです。Two-Way契約ではないため、Standard NBA Contractとして扱われ、Two-Way契約に変更した場合は、Two-Way契約の別枠に移ります。
- 主な用途
- チームは開幕前までに、この契約をTwo-Way契約に変更できます。変更した場合や、開幕前に解除しなかった場合は、ボーナスのかわりに同じ額の年俸保証が付きます。
※ ボーナスの上限額は、2023-24シーズンを7万5,000ドルとし、以後はサラリーキャップの伸びに合わせて毎年変わるとCBAに定められています。2026-27シーズンの上限額は、一次資料で確認できなかったため掲載していません。
10-Day Contract
10日間契約(10-Day Contract)
- 対象者
- Two-Way契約ではない選手契約として結びます。同じチームが同じ選手と10日間契約を結べるのは、1シーズンに2回までです。
- 契約期間・扱い
- 毎シーズン1月5日から結べます。期間は「10日間」と「そのチームの3試合分」の長いほうです。年俸はその選手の最低年俸を、契約の日数に応じて日割りにした額です。レギュラーシーズン最終戦の日以降にかかる10日間契約は結べません。
- ロスター枠との関係
- アクティブ・リストとインアクティブ・リストに入り、同時に結べる人数はロスターの人数(Two-Way契約の選手を除く)で決まります:12人なら0人、13人なら1人、14人なら2人、15人なら3人まで。
- 主な用途
- 10日間契約の期間中に、同じ選手と、期間満了の翌日から始まるシーズン残りの契約(Rest-of-Season Contract)を結ぶことができます。チームは書面の通知で契約を終了でき、通常のウェイバー(Waive)の手続きはとりません。
Hardship
ハードシップによる10日間契約(10-Day Hardship Exception Contract)
- 対象者
- NBAがハードシップ・ルールにもとづいて契約を認めた場合に結べます。承認の条件はNBAのルールで決まります。
- 契約期間・扱い
- いつ結んでも10日間契約として扱われ、1月5日より前でも結べます。期間がレギュラーシーズン最終戦の日以降にかかる場合は、シーズン終了までの残り日数が期間になります。
- ロスター枠との関係
- 通常はアクティブ・リストとインアクティブ・リストの合計が15人までですが、ハードシップで契約を認められた場合は15人を超えられます。
- 主な用途
- ロスターの人数を通常の上限を超えて確保するための、NBAの承認にもとづく10日間契約です。
※ ハードシップが認められる具体的な条件は、NBAのハードシップ・ルールで決まります。確認したCBA・CBA 101には具体的な条件が書かれていないため、このページでは扱っていません。
G League
Gリーグとの関係
- Standard NBA Contractの選手:在籍年数2年以下ならチームの判断で、2年を超える場合は本人と選手会の同意があれば、Gリーグに派遣できます。回数の制限はなく、派遣中もNBAの年俸が支払われます。
- Two-Way契約の選手:NBAチームとGリーグ・チームの両方でプレーする契約です。NBAのアクティブ・リストに入れる試合数には上限があります。
- Exhibit 10の選手:開幕前に契約を解除され、Gリーグと契約してそのチームの提携チームで60日間続けてプレーすることなどが、ボーナスを受け取る条件です。
2026-27
2026-27シーズンの金額について
Two-Way契約の年俸やExhibit 10のボーナス上限などの具体的な金額は、毎シーズン変わります。NBAが公表した2026-27シーズンのサラリーキャップ等の発表(NBA Communications・NBA.com)には、これらの金額が記載されていないため(2026年10月3日確認)、このページには載せていません。
関連ガイド:NBAのミニマム契約とは?(最低年俸の決まり方)
Glossary
関連用語
- Standard NBA Contract
- CBAで、Two-Way契約以外の選手契約を指す言葉。10日間契約も含まれる。
- Two-Way契約(2-way契約)
- NBAチームとGリーグ・チームの両方でプレーする契約。各チーム最大3人で、15人のロスター枠とは別。
- Exhibit 10
- 1シーズンの選手契約に付ける付属書。開幕前の解除後にGリーグでプレーした場合のボーナスや、Two-Way契約への変更を定める。
- 10日間契約(10-Day Contract)
- 1月5日から結べる短期の契約。期間は10日間と3試合分の長いほうで、同じチーム・同じ選手とは1シーズン2回まで。
- ハードシップ(Hardship)
- NBAが認めた場合に、15人を超えて選手と10日間契約を結べる仕組み。
- アクティブ・リスト/インアクティブ・リスト
- 試合に出られる選手の登録と、出られない選手の登録。レギュラーシーズン中は合計14〜15人を保つ。
- 最低年俸
- 在籍年数ごとに決まる年俸の下限。10日間契約やTwo-Way契約の年俸の基準になる。
リンクのない用語の詳しいガイドは準備中です。
Official sources
公式一次資料
- 2023 NBA Collective Bargaining Agreement(PDF・英語) ↗
NBA ・ 2023年7月1日発効(2029-30シーズンまで)
第1条:用語の定義/第2条 Section 3(s)・11(h):Exhibit 10、Section 9:10日間契約、Section 10:シーズン残りの契約、Section 11:Two-Way契約/第29条 Section 1・2:ロスター人数
- CBA 101: Highlights of the Collective Bargaining Agreement(PDF・英語) ↗
NBA ・ 2024年11月作成
II.O:ロスター人数/III.A:Gリーグへの派遣、III.B:Two-Way契約、III.C:Exhibit 10
このページは上記の公式資料をもとにした当サイト独自の解説です。協定の条文を転載・翻訳したものではありません。